ヤマトと佐川は、国内の宅配市場のシェアがそれぞれ4割前後。わずかにヤマトが上回る程度だが、配送を支えるネットワークの構成は大きく異なる。ヤマトが国内に約4000の営業拠点を持つのに比べ、佐川はその1割程度。配達員の数も半分程度でしかない。
もともとヤマトのインフラは個人間取引を前提にできているが、佐川の場合は企業間取引がベース。その差が拠点数などに現れている。佐川は、配達員の数が足りない分は「アンダー」と呼ばれる下請けを起用して補ってきた。
配達員のほとんどが社員であるヤマトでは、配達する荷物が増えるほど効率が上がる。だが、下請けに依存する度合いが高い佐川では、数量の拡大は外注費増に直結する。その分だけ、アマゾンからの値引き要求の打撃が大きかったとみられる。佐川は、今後は原点である企業間物流に活路を求める。
一方のヤマトも安泰ではない。佐川の仕事の一部は日本郵便の「ゆうパック」が引き継いだが、配送品質が心配なアマゾンはこの仕事をしばらくヤマトに任せる方針だ。急激に増えた仕事を、ヤマトは配達員の残業で何とか回している。さらに物量が増えたときの人件費増をどうすべきか、ヤマトにとっては頭の痛い問題だ。