ジスプロシウムの世界需要【拡大】
ジスプロの価格は今年8月時点で1キロ当たり645ドルと、ネオジムの93ドルに比べてもかなり高価だ。このため磁石合金の開発では、耐熱性を維持しながらその使用量を減らすことが最重要課題となっている。
開発現場では、別の希土類であるテルビウムを使う手法などが模索されているが、より希少でかえってコストがかさむなど問題を抱える。
特殊な熱処理で開発
こうした中、昭和電工はそれらと異なるアプローチを追求。磁石合金に特殊な熱処理を施して、結晶構造を変えることで耐熱性を確保する技術を編み出した。
傍目には分からないが、通常の磁石は磁性のある結晶が密集してできており、それらの周囲を磁性のない膜のようなものが覆っている。これに対して、昭和電工が開発した磁石は、両者の間を磁性のある「第2の膜」が挟まれている。河村伸彦・電子機能材事業部長は「2つの磁性のある部分が隣り合っていると、ふつうは磁力が落ちるが、なぜかそうならなかった」と語る。