携帯電話大手3社の2013年9月中間連結決算が31日、出そろった。ソフトバンクとKDDIが、米アップル社製スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の販売好調などで営業利益で過去最高を更新した。一方、NTTドコモは端末調達コストを抑え3期ぶりに営業増益とした。
ソフトバンクは、売上高、営業利益、最終利益で過去最高を更新。初めて3項目すべてでドコモとKDDIを上回った。ソフトバンクの営業利益は66.6%増の7150億円とドコモの4731億円、KDDIの3476億円を大きく引き離した。
ソフトバンクはiPhoneを中心に契約が伸び、データ通信料収入などの増加が利益に貢献した。ゲーム会社などの買収に伴い発生した株式評価益も寄与し、買収した米携帯電話スプリントの赤字をカバーした。
ソフトバンクは14年3月期業績見通しを公表していないが、同日会見した孫正義社長は「国内事業が順調で、営業利益は1兆円を突破するメドが立った」と述べ、1兆円以上との見込みを改めて示した。
下期は、9月にドコモがiPhone販売に参入し、販売競争が激しさを増すとみられる。KDDIの田中孝司社長は「年末商戦を見極めたい」と話し、通期の業績予想を据え置いた。ドコモも通期予想を変更しなかった。