この危険にさらされているのはアイデンティファイドだけではない。日本でもフェイスブックの個人情報やコネを利用してソーシャルリクルーティング事業を展開するスタートアップが注目を集めている。アメリカ以外の国でソーシャルデータを基に仕事探しや人材獲得のビジネスを組み立てる方が、短期的には成功のチャンスがずっと大きい。フェイスブックの他にもツイッター、ミクシィといったネットワークから得たデータを相互に関連付けて候補者の複合的なプロフィルを作成するなど、今以上に付加価値を追求していくしかない。
たとえば、「TalentBin(タレント・ビン)」は、少なくとも8つの情報源から集めたデータを使って採用担当者が隠れた人材を見つけ出せるように支援するツールだ。
リンクトインのプロフィルは作っていないが、技術的な議論が繰り広げられるオンライン掲示板に積極的に貢献しているようなエンジニアを探し出すのに最適だ。
アイデンティファイドにとって鍵となるのは、テクノロジー以外の業界でソーシャルリクルーティングを始めたという、その立ち位置だろう。
これにはプラスとマイナスの面がある。
有利な点は、競合他社から一線を画してニッチな市場を囲い込むことができるところだ。一方で、テクノロジーに疎い人たちは、素晴らしい業績や今どんな仕事をしているかについて多くの情報をソーシャルネットワークで共有せず、身の回りの友人との間にとどめておく傾向がある。
採用担当者がエンジニアやデザイナーなど技術的なポジションの候補者を探す場は数えきれないほどあるのに、看護師や介護士を探すとなると、オンラインにデータを掘り起こせる場所が少ない。こうしたニッチな市場は出身校や業界内部のコネにかなりの部分を頼らざるを得ない。