ただ、「インドなど一部新興国と欧州での販売不振などが主因」(カルロス・ゴーン社長)として通期の業績予想を下方修正した日産の不振に象徴される新興国リスクは、他社にとっても不安の種だ。
通期の東南アジアの販売計画を、前期比15.9%減の8万5千台に下方修正したマツダの小飼雅道社長は「昨年の政府の補助金政策で需要が前倒しとなったタイ市場は今年は厳しい」と分析。ホンダの岩村哲夫副社長も「インドネシアは市場として伸びるが、インドは今の景気の先行きではかなり厳しい」と指摘する。大幅増益を計上した好調組みの中でも、新興国販売の落ち込みが目につく。
さらに、国内販売も正念場を迎える。日本自動車工業会の試算では、自動車取得税など車体課税が見直されないまま、消費税率が8%になった場合、国内の新車販売は58万台落ち込む。増税前の駆け込み需要で短期的には利益の上振れ余地もあるが、増税影響を控え「浮かれてはいられない」(トヨタ幹部)状況だ。
消費税増税に関連して軽自動車税の増税が浮上ずる中、「(増税になれば)賃上げなんて考える時間がない」(スズキの鈴木修会長兼社長)と、業界の増税への警戒感は強く、収益拡大の持続性は見通せない。
(飯田耕司)