ホンダ「マザー工場」の効果は? 国内雇用確保、他産業への波及期待 (1/3ページ)

2013.11.9 07:30

高効率な生産ラインでコスト競争力を高めたホンダの寄居工場=7日、埼玉県寄居町

高効率な生産ラインでコスト競争力を高めたホンダの寄居工場=7日、埼玉県寄居町【拡大】

 ホンダが23年ぶりに国内に建設した新工場、寄居工場(埼玉県寄居町)で8日までに小型車「フィット」のフル生産が始まった。「国内最後の乗用車工場」ともいわれる同工場は輸出を行わず、最新鋭の生産技術を確立して海外新工場に技術を移す「マザー工場」として運用する。この試みが成功すれば、人口減で消費が頭打ちの国内に工場を新設する動きが他業界にも広がり、設備投資や雇用の拡大につながる可能性もある。

 「会社が発展するためには、製品技術に加え、生産技術の進化も必要で、それを日本の寄居が担っていく」

 7日の新工場披露会の記者会見で、伊東孝紳社長はこう強調した。

 寄居工場の年間生産能力25万台。高効率な生産ラインで、コスト競争力を高めたことに加え、1台当たりの二酸化炭素(CO2)の排出量を従来比で3割減らせるなど環境負荷も抑えた。ここで培った技術は今後1年半以内に、来春稼働予定のメキシコをはじめ、中国、ブラジル、タイといった新興経済国の新工場に移管していく。

「従来の常識を疑うところから着手した」

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