高効率な生産ラインでコスト競争力を高めたホンダの寄居工場=7日、埼玉県寄居町【拡大】
このため、すべての工程について、「従来の常識を疑うところから着手した」(工場責任者の河野丈洋主任技師)という。
例えば、車のボンネットなどを骨格と結合する溶接ライン。狭山工場では、設置スペースが狭いという理由で昔から溶接ロボットを車の両側に置いていたが、これを前後に配置するという大胆な変更を行った。これによりロボット16台を10台に減らすことに成功した。
また、塗装工程では、ボディーカラーを吹き付ける塗料に、衝撃を吸収する機能をあらかじめ付け、塗装膜のひび割れなどを防ぐ、「中塗り」と呼ばれる工程を不要にする技術も採用。CO2の排出量は既存の製造法に比べ42%減った。
こうした最新の製造技術に加え、小型車専用の少品種大量生産によるコスト削減効果で、フィットの採算性は大きく向上した。フィットは低価格帯の車種ながら、ホンダを販売面のみならず、収益面でも大きく支える「屋台骨」の役割がさらに増すことは確実だ。