「顧客がどういう判断をするか予測できない」。一連の食品偽装問題の発端となった阪急阪神ホテルズを子会社に持つ阪急阪神HDの若林常夫取締役は、こう頭を抱える。墜ちたブランドイメージが業績に与える影響は予測が難しく、通期の業績予想は据え置いた。
子会社のホテル京阪に食品偽装があった京阪電気鉄道も「業績への影響を図りかねている」、近鉄は「(影響を)織り込めるほどのデータはない」と、各社ともダメージの長期化に戦線恐々。
特に、近鉄は食品偽装が発覚したグループの近鉄百貨店本店が入る日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)の全面開業を来年3月に控えるだけに、問題の早期沈静化を願っているのが本音だろう。
中間決算では好不調がはっきりと分かれた関西企業。通期決算に向けた奮起に、注目が集まる。(藤原直樹)