日中経済協会の訪中団は19日、北京市内で中国の汪洋副首相と会談した。汪副首相は「両国間の経済関係の発展を重視し多大な関心を寄せていることの表れだ」と述べ、訪中団を歓迎した。訪中団の米倉弘昌最高顧問(経団連会長)は「日中関係をかけがえのないものとして長年にわたり発展強化に力を尽くしてきた」と応じた。
日中経協の訪中団が中国の副首相と面談するのは2011年9月以来約2年ぶり。会談で汪副首相は、中旬に開かれた中国共産党の第18期中央委員会第3回総会(3中総会)で承認された市場競争の加速や金融市場の整備など中国の経済政策を説明。省エネ・環境、医療と介護など重点分野に対する日本企業の実務的な協力を要望。これに対し日本側は両国関係の深化を求める提言書を手交。中国の経済構造改革に期待を示す一方で、政府規制の緩和や知的財産権保護法制の強化を求めた。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐり緊張が続くなか、今年9月下旬には中国大手国有企業首脳が日本を訪問。日中経協の訪中団は、今年の早い段階での受け入れ表明を「雪解けが近い」(大手商社)と受け止め、習近平国家主席や李克強首相との会談を要望したものの、実現しなかった。ただ汪氏は07年に中国の工業地帯で日本企業とも関係が深い広東省のトップに就任し“市場原理による調整”を訴え改革を進めた経済通である上、次代の最高指導部入りが有力視されている。日本側には「建前ではなく実質的な話ができる相手」(大手メーカー)として汪氏との会談を歓迎。張富士夫トヨタ自動車名誉会長は「日中は経済から仲良くなることが大事」と述べ、今後も民間交流で関係改善を後押しする考えを強調した。(北京 早坂礼子)