そのうえで「ご婦人がこれまでゴルフやテニスを趣味としていたが、文化的なことに興味をもちチェロを受講しに来たこともある」と明かす。
時間的、金銭的に余裕のあるシニア世代は「何かにチャレンジしたいとい欲求の中で、これまで聴く専門だった音楽を演奏へと広げる人も増えている」と徳永さんは分析する。
ヤマハ大人の音楽レッスンでは、シニア向けコース強化の一環として、08年に「健康と音楽コース」の全国展開を開始、11年には「健康と歌コース」を追加した。健康と音楽は、音楽とやさしい運動を結びつけたエクササイズで、体力増進と脳の活性化を図るプログラムだ。健康と歌は息や声を出し、仲間と一緒に歌うことで、心と身体の健康や脳の働きを健全に保つことを目的にしている。どちらも音楽経験がなくても無理なく、安心して続けられるためシニアには好評を博している。
野村さんは「レッスン受講者の半数はビジネスパーソンのため、開講時間は夕方から夜というのが多い。顧客ニーズを捉えながらもっと時間の枠を広げていく必要がある」と話す。
ヤマハは今後、会場数をさらに拡大していくとともに、開講時間の多様化などでさらなる在籍者数の獲得を目指す。