社員たちの議論を静かに聞いていた西垣和俊社長は、要所で口を開いた。
「『先丸があった方がいい』と言うのはよく分かる。ただ、議題として考えるには、在庫の関係も考えないといけない」と現実問題にも目を向けた。
こうした社長や社員をまじえた会議が、優れた商品開発のアイデアを生み出す原動力となっている。
◆若手社員が意見
今年誕生したユニークな商品「合格印ソックス」のアイデアも、この会議から生まれた。
共同特許申請中のポリウレタンを編みこんだ新しい滑り止め技術を駆使し、「滑らない」靴下を、「受験の滑らない」とかけて開発した。もちろんターゲットは受験生だ。アイデアを提案したのは、受験生と世代が近い若手社員だった。
西垣社長は「消費者として意見を言えばいい。女性は女性として、男性は男性として、自分のわがままかもしれないが、その意見の中からおもしろいものが生まれるかもしれない」と積極的な提案を促す。
ものづくりへの取り組みが評価され、05年には、繊維産業の構造改革のビジネスモデルとなる事業を支援する中小企業基盤整備機構の「中小繊維製造事業者自立事業」に指定された。09年には、近畿経済産業局の「2009KANSAIモノ作り元気企業100社」にも選ばれている。
大量生産ではなく、高品質・高付加価値の商品を多品種・少量生産する。その経営方針を徹底し、こだわりの靴下を作り続けている。(山本岳夫)
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【会社概要】西垣靴下
▽本社=奈良県大和高田市大谷61
▽設立=1986年12月
▽資本金=1000万円
▽従業員数=35人
▽事業内容=子供・婦人・紳士靴下、サポーターなどの製造・販売
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