ソニーが、経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスが閉鎖を表明していた鶴岡工場(山形県鶴岡市)の買収を検討していることが4日、わかった。スマートフォン(高機能携帯電話)のカメラなどに搭載される「CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサー」の生産拠点として活用する計画。世界の成長市場でトップシェアを維持する狙いがある。
ソニーは、資産査定などで採算性を調べ、今年度中に結論を出す見通し。買収する場合、従業員の一部も引き継ぐとみられる。ただ、ソニーには長崎県などの自社工場を増強する選択肢もあり、買収金額なども含めて慎重に検討する。
鶴岡工場は任天堂のゲーム機向け半導体などを生産していたが、需要の減少で稼働率が低下。ルネサスは今年8月、3年以内に閉鎖する方針を発表した。ただ、最新設備や技術力などには定評がある。
ソニーが鶴岡工場での生産を検討するCMOSセンサーは、デジタルカメラやスマホなどのカメラの基幹部品だ。「電子の目」と呼ばれ、画像(映像)の解像度などを左右する。