「自分の地元が津波をかぶったとき、米兵がやってきて顔色ひとつ変えずに対応してくれた。そんな米国人の心を学びたくてプログラムに参加。実際に米国に行ってみると、こういう国なら心も広くなるわけだと納得できた」
吉田氏は言う。
「参加者の多くは被災地でボランティアが活動する様子を目にしている。日程の中にボランティア体験を盛り込んだのも、当時の体験と比較しながら新たな発見や学びにつなげてほしかったから。老人ホームを訪問したり、小学校で日本の歌や折り紙を披露したりするなど、その内容は滞在地域ごとにさまざま。段ボールに『洗車』と手書きした看板でお客を募ったグループは、洗車代160米ドルを売り上げて福祉協会に寄付した。また、ひとことに被災と言ってもその内容は人それぞれ。時間の経過とともに、地元の生徒の間には被災体験を話しづらい空気もある。だが、被災3県から見ず知らずの生徒が集まるこのプログラムでは自然に語りあう場が生まれ、これが癒やしにつながったと話す生徒も複数いた。プログラム全体を通して得たものは予想以上だったと感じている」
参加者は作文審査で選考。応募者は自身の被災体験を踏まえて、このプログラムに参加する理由と、参加経験を将来どのように役立てたいかを書いて提出する。
「プログラムを通して、成長したい、何らかの突破口を見いだしたいという気持ちの強い生徒を中心に、厳選な審査のもと選んでいる。応募作文全体から読み取れるのは、震災が忘れられているのではとの危機感を持つ生徒が多いこと。そこで日程の中にスピーチの時間を設け、希望者は体験や思いを伝える機会が得られるよう配慮した」