総合特別事業計画を提出し、報道陣の取材に応じる東京電力の広瀬直己社長=27日、東京都千代田区(藤原章裕撮影)【拡大】
計画ではグループで2千人規模の希望退職者を募る一方、電力小売りの全面自由化を見据え、他社に先駆けて組織改革にも着手。廃炉事業を社内分社化するほか、28年度をめどに持ち株会社へ移行する。
ただ、チッソの再建スキームと大きく異なるのは、東電だけでなく、他の電力各社も原発事故の「連帯責任」を負わされた点だ。
原発を保有する電力各社などは毎年、それぞれ保有する原子炉の出力規模に応じて、原賠機構に「一般負担金」を支払っている。24年度の負担総額は1008億円。
原賠機構は一般負担金とは別に、事故を起こした東電から年500億円程度の「特別負担金」を受け取る方針だが、東電は赤字続きのため、まだ払っていない。
陰に日なたに東電を支えてきた他の電力各社は、新生・東電に警戒感を抱く。国の支援を受けた日本航空がV字回復したように、東電が強力になれば、自由化が進展した市場で他の電力各社を脅かす存在になるからだ。事実、東電は再建計画に「電力の全国販売」を盛り込み、他社を戦々恐々とさせている。
「われわれも負担金を支払っている。なぜ東電だけ支援されるのか…」。ある電力大手の幹部は複雑な表情でこう打ち明ける。
(藤原章裕)