東京電力の新しい総合特別事業計画(再建計画)には、これまで東電任せだった廃炉や除染への国費投入が盛り込まれ、国が前面に出る姿勢を強調した。広瀬直己社長は27日、「国との役割分担が明らかになった」と語ったが、新計画実現の鍵を握るのは、あくまで柏崎刈羽原子力発電所の再稼働だ。そのためには、新潟県の泉田裕彦知事の同意が必要で、東電は「高いハードル」(幹部)をクリアしなければならない。
「東電任せのままでは何も解決しない。国が前に出るしかない」。経済産業省幹部は、方針転換の理由をこう明かす。
引き金となったのは、2020年東京五輪の招致だった。安倍晋三首相は、9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、福島第1原発の汚染水問題に触れ、「状況はコントロールされている」と宣言。これを機に、経産省幹部からは「首相が世界に“公約”した以上、政府は本気で取り組まないといけない」との声が目立つようになった。