新興国攻略へ「留職」相次ぐ パナソニックら大手、NGOに人材派遣 (2/3ページ)

2013.12.28 07:53

 「熱の伝播」が醍醐味

 いち早く取り入れたのがパナソニックだ。今後の事業展開を考えると「新興国の社会課題に敏感で、具体的な解決策を提案できる人材を育成する必要がある」(担当者)と判断、環境・エネルギー、ヘルスケア、教育という3分野のNGOを選定。「PIVoT」という独自名称でクロスフィールズと連携しながらプログラムに取り組む。

 社員は年休を活用し自己負担で渡航する。ベトナムとインドネシア、それに新興国の最重点地域と定めるインドに派遣しており、今後も人数を増やしていく計画だ。

 ベトナムでは、デザイン系社員が、太陽光を利用した調理器具「ソーラークッカー」を製造販売するNGOで活動した。

 現地の貧困層は、薪を集めて火をおこし食事を作る。しかしその際に出る有毒な煙が、目の病気の原因になるなど多くの社会問題を引き起こしている。

 問題解決にソーラークッカーは不可欠だが、生産コストが高くてなかなか普及しない。価格を下げるための生産改善に、パナソニックの技術が注目された。同社にとって、ベトナムの低所得者層がどういった暮らしをしているかを把握し、無電化村で何に取り組めばよいかを認識するチャンスでもあった。

 これを受けて、社内の異なる部署にいる数人のメンバーでチームを立ち上げ、現地と日本を映像で結ぶビデオ会議などを通じ議論を重ねた。「今のベトナムに松下電器産業(現パナソニック)が創業したときの景色を見た」。そんな思いもメンバーの胸に去来した。

 その結果、生産コストを20%削減したソーラークッカーの試作品を開発。肉じゃがを作ってフェイスブックに投稿したら社内外からものづくりの素晴らしさをたたえる声が集まった。メンバーを中心に提案活動も盛んになった。小沼代表理事は「このように熱が伝播(でんぱ)していくことが留職の醍醐味(だいごみ)」と語る。

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