アベノミクスによる企業業績の改善が広がるなか、政府はデフレ脱却に向け、賃上げや設備投資の拡大に期待を寄せる。だが、アンケートでは手元資金の使途(2つまでの複数回答)について「賞与・賃金などで従業員に還元する」と明確に回答した企業は4社にとどまり、賃上げは業績改善の範囲にとどまる見通しが強い。
ただ、政府の賃上げ要請に対する対応として、「すでに基本給を上げた」(3%)や「賞与を上げており、基本給上げも検討したい」(3%)など、賞与・賃金の引き上げに前向きな企業は合計で17%にのぼった。
一方、最も多かった回答は「その他」の68%で、「業績に応じて賞与増を検討していく」(金融)や「状況をみながら総合的に判断する」(食品)など、春闘交渉をこれからに控えて、明確な回答が難しい現状をうかがわせた。
こうした中で、企業の手元資金の使途で最も多かったのは「設備投資」(54社)で、以下「研究開発」(36社)や「借入金の返済などによる財務体質健全化」(30社)が続いた。
景気回復の先行指標となる設備投資については、堅調な動きが続きそうだ。国内設備投資額については、25年度と比べて「大幅に増える」または「大幅に減る」と回答した企業はなかったが、「横ばい」(25%)と「増える」(23%)で回答企業のほぼ半数を占めた。一方、「減る」との回答は7%にとどまった。
また、海外の設備投資もほぼ同様で「増える」(20%)と「横ばい」(20%)で4割を占め、26年度も国内外で企業の堅調な投資が続きそうだ。