当初は自動車のエアバッグのような装置をめざしたが、機構や耐久性、コストなどに問題があり、今回の装置になった。衝突緩和効果はエアバッグ並みという。
鹿との衝突事故は年々増加。24年度の衝突件数は635件と、データを取り始めた17年度の271件から大幅に増加した。
特に三重県と和歌山県を走る紀勢線で多発しており、24年度で269件。今年度は昨年11月末までに480件(うち紀勢線219件)発生している。
実験のため一昨年夏、装置を同線の特急列車に装着した。昨年11月までの約1年半の衝突件数は140件(装着列車75件、非装着列車65件)で、鹿を線路外に押しのける効果があったのは、装着列車が85・3%と、非装着列車の72・3%を上回った。