「視聴質」の一つ
ビデオリサーチテレビ事業推進部の長島英樹課長補佐は、新指標について「『視聴質』を測定する方法の一つだ」と強調する。
現在の視聴率は対象世帯に設置された測定機で集計されているが、漠然とした「ながら視聴」か、集中した視聴か-という実態までは測定できない。ただ、長島さんによると、ツイッターで多くのつぶやきを集める番組ほど、CMを含めて視聴者にじっくり見られている傾向があるという。
長島さんは「熱心なファンを持つアニメなどに投稿は集中する傾向がある。一方、情報が拡散する波及効果は、そうした特定のジャンルよりも、『半沢直樹』のような一般的なドラマの方が強いかもしれない」と分析する。
実際、昨年大ヒットしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」やTBS系ドラマ「半沢直樹」は、ツイッターなどでの情報拡散が人気を後押ししたと言われている。一方、録画機器の普及で特にドラマの録画再生率は高まっているとされ、「視聴率以上の反響を感じる作品もあり、歯がゆいときはある」(民放幹部)との声も上がる。
長島さんは「複数の指標を多角的に分析することで、視聴率だけでは分からない視聴者の番組との距離感を知ることができる」と話し、新指標が番組の新たな「価値」を明らかにすることを期待している。