スマホ視聴も追跡可能に
ビデオリサーチは平成22年から録画再生率の試験調査にも取り組んでいる。「研究中」として結果は公表していないものの、昨年10月からは録画機器を所有していない世帯も合わせ、首都圏300世帯に調査対象を拡大した。
同社は現在の調査で、テレビの音声を解析し、視聴番組を特定する「フィンガープリント技術」を主に採用している。同時に、放送自体に事前に特殊な音声情報を埋め込んでおく「音声透かし技術」も研究中で、昨年11月に開かれた国際放送機器展示会「Inter BEE」などで、その一部が公開された。
音声透かしはフィンガープリントよりも精度の高い測定が可能。また、テレビのほかにもスマートフォンやタブレット端末などで番組を視聴した場合も“追跡”しやすいのが特徴だ。ただ、放送局側に専用設備が必要など課題もあり、実用化は未定のままだ。
ビデオリサーチ技術推進部の阿部良一主事は「端末や場所を選ばずテレビ番組が見られる時代になりつつある。時代や顧客の要請に対応できるような技術開発を急ぎたい」と話している。