10年には、5億ドルでマーケティング・オートメーションを手掛ける「Unica(ユニカ)」を買収した。企業がマーケティング、見込み客の取り込み、販売、注文プロセス、決済に至るまでの主要なビジネスプロセスを自動化、管理、加速化できるよう支援するための買収だった。ユニカの事業にデータ解析やコマース向けのサービスを加えて、IBMはエンタープライズマーケティングマネジメントというパッケージを販売している。
IBMの焦点は、マーケティングや価格の最適化という場面で、ビッグデータをリアルタイムで活用していこうというものだ。彼らの広報によれば、これが今後10年にわたってIBMの事業の柱になるようだ。
マーケティングの自動化ツール、そしてオンライン事業全般にとって最大の壁は、どんな施策が有効で何が有効でないかを数量化するのが難しいところだ。Eメールやソーシャルメディアを使ってマーケティングキャンペーンを始めるのはかなり簡単になっているが、効果を正確に測定するツールなしに、キャンペーンが成功したと証明するのは大変難しい。
マーケティング自動化を担う企業で規模の大きなものは、施策を実行するツールとともにパフォーマンスを計測するツールも提供しなければならない。しかし、それを両方導入するとなると、オラクルの法人データベースと同程度のかなりの費用がかかるだろう。
スタートアップのなかには、パフォーマンス計測周りにしぼってサービスを展開しているものもある。「Multichannel(マルチチャネル)」はマーケティングに使われた費用を計算して記録し、「Custora(カストラ)」は、顧客獲得にかかったコストを記録するサービスだ。