サントリーホールディングス(HD)は13日、バーボン「ジムビーム」などで知られる米酒造大手のビーム(イリノイ州)を買収すると発表した。買収にはビームも同意しており、今年4~6月をめどに、ビームの発行済み全株式を160億ドル(約1兆7000億円)で取得する。
サントリーグループによる買収では過去最大規模で、日本企業による買収としてもソフトバンクによる米携帯大手スプリント・ネクステル買収などに匹敵する最大級の案件になる。これによりサントリーHDはウイスキーなどのスピリッツ(蒸留酒)事業の売上高が世界3位に躍り出る。1株当たり83.5ドルで全株を取得し、費用は手元資金と借り入れで賄う。
ビームは、「ジムビーム」のほか、スコッチやウオツカなどを幅広く展開する世界4位のスピリッツメーカー。サントリーHDも「山崎」や「白州」といったウイスキーブランドを持ち、買収によりスピリッツの商品力を強化する。
サントリーHDは、買収によりビームの米国の販路など事業基盤を活用するほか、両社のブランド力を生かしてロシアやブラジル、インドといった新興国での事業展開を加速する。