「ベテランvs新人」火花散らす“溶接バトル” 日立造船の人材育成 (3/4ページ)

2014.1.22 06:50

日立造船有明工場で開かれた溶接技能コンクール。若手とベテランが火花を散らす=1月10日、熊本県長洲町(同社提供)

日立造船有明工場で開かれた溶接技能コンクール。若手とベテランが火花を散らす=1月10日、熊本県長洲町(同社提供)【拡大】

 審査で重要な項目の一つは、2枚の鉄板を溶接する際にできる「ビード」と呼ばれるつなぎ目の美しさ。また、内部に欠陥がないか、X線を使って透過試験を行い、圧力がかかっても割れが発生しないかチェックする試験もあり、審査には最低1カ月はかかるという。

 それでもビードの美しさの違いは一目瞭然のようで、勝敗はその場で分かることもある。「本番前日、『俺が社長賞をもらう』と豪語していた若手が、ショックを受けて帰っていくんです」と中村さんは含み笑い。

 なにしろベテランと張り合うには「10年はかかる」といわれる業種だ。見事な先輩の技を間近で見て脱帽した体験は、若手を大きく伸ばすに違いない。

 優秀作品は、有明工場(熊本県)内の「Hitz技能研修所」に展示されている。

 世界屈指の技術で商機を

 同社はもともと石油プラントや化学工場などで使う、有機物を高圧で反応させる「圧力容器」の開発・製造が強みだ。圧力容器の需要は世界的に減少傾向にあったが、折からの「シェールガス革命」が強力な追い風になるとみられている。

「日本人の溶接でないと海外では信用されない」

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