そこで地元が期待するのは、今秋にも着工されるリニア新幹線だ。現在、山梨県上野原市-笛吹市間の42.8キロの実験線を本線とした上で、名古屋側を駅建設予定地の甲府市まで、東京側を神奈川県相模原市までそれぞれ延伸し、32年の東京五輪開催時に試乗できるよう、JR東海に働きかけている。
地元の期待高く
JR東海は「32年までの延伸の実現は、現実的には極めて困難」とするが、それでも河口湖とリニアの駅を結ぶ延長40キロの県道整備を求めるなど、地元の期待は高い。「富士山だけでは東京から日帰り圏。リニア試乗で1泊以上してもらい、県内の温泉やワイナリーに寄ってもらえれば経済効果は一気に広がる」(山梨県観光部)という。
政府は32年に訪日外国人を2000万人に倍増する目標を掲げる。実現には、日本の文化を象徴する富士山と最先端技術を結集したリニア新幹線を、ともに政府主導で売り込む態勢作りが必要となりそうだ。(藤沢志穂子)