富士山が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に昨年6月に登録され、周辺地域を訪れる観光客が順調に伸びている。
ただ「世界遺産」のブランドに依存するだけでは頭打ちになる恐れもあり、地元では温泉やワイナリーなどの観光資源を結びつけた楽しみ方を提案。2020年開催の東京五輪を見据え、山梨県内に実験線があるリニア新幹線を外国人を呼び込む起爆剤に位置づけるなど、誘客に知恵を絞っている。
多様な言語に対応
1月初旬の平日、富士山観光の入り口となる山梨県立富士ビジターセンター(富士河口湖町)は多くの外国人でにぎわい、台湾人の団体客や欧米、イスラム圏の旅行者が富士山の自然環境を紹介する展示を熱心に見ていた。
「訪れる外国人は国別では一昨年まで40カ国・地域ほどだったが、昨年は南米や東欧、アフリカも広がり、約60カ国・地域に増えた」と堀内東センター長は話す。