ベアに積極的な姿勢の企業が増えるかどうかが、4月以降に景気の落ち込みをどれだけ防ぐことができるかを左右する。
政府の危機感も強く、茂木敏充経済産業相は1月中旬、ベアを昨年9月に実施した産業廃棄物処理業の石坂産業(埼玉県三芳町)を視察。「(企業が賃上げを)できる状況をつくるために最大限努力する」と強調した。
だが、ベアを認める姿勢が中小企業の経営者に広く行き渡るのは現実的には厳しい。東京都内の中小企業約2100社が加盟する東京中小企業家同友会が昨年10~11月に実施した調査によると「3%以上の賃上げに踏み切る」と回答した会員企業は5%にとどまった。「定期昇給のみ」「賃上げは無理」とした企業が約6割を占めた。
日本生産性本部の関連団体「経済成長フォーラム」が昨年末に大手を含む企業経営者191人を対象に実施した調査でも「ベアを行わない」とした企業が約7割に達した。
経営側は「2、3年をめどに多くの企業でベアができればよい」(関西経済同友会の鳥井信吾代表幹事)というスタンスが主流とみられるが、タイミングを逃せば上向いてきた景気を冷やしかねないリスクもはらむ。