部屋の角や天井の空間など、わずかな隙間にポールをはめ込み収納スペースに変身させる「つっぱりポール」で有名な平安伸銅工業(大阪市中央区)。そんな商品さながらに、同社はお昼時、社屋の「隙間」で宴会を開くというユニークな取り組みを始めた。狭い空間で膝をつき合わせて食事をすれば、自然に笑顔が生まれ、会話も弾む。社員同士の親睦を深めるのが目的だが、「新たなアイデア商品の開発につながるかも」との期待も芽生えつつある。
幅1メートルのブルーシートにすし詰め
平日の午前11時、平安伸銅の本社オフィス。デスクとロッカーの間に敷かれたブルーシートの上で、社員たちが思い思いに食事を始めた。デスクとロッカーの「隙間」の幅はわずか1メートル程度。ここに14~15人が集まる様は、まさに“すし詰め”状態だ。
それでも仕事の話のほか、「中国出張のときに朝食べた小籠包がおいしかったんだよ」「子供が小学校のサッカークラブに入ったんだ」などプライベートな会話に花が咲く。アルコールなしの宴会は午後1時半まで続き、笑い声が絶えない。