三菱自動車の益子修社長は18日、産経新聞のインタビューに応じ、平成26年春闘に関し、「ベースアップ(ベア)で従業員に還元する考えはまったくぶれていない」と述べ、賃上げに応じる姿勢を示した。自動車メーカーの労働組合でつくる自動車総連は、今春闘でベアに相当する賃金改善を5年ぶりに統一要求しているが、経営トップがこれに応じる意向を示したのは初めて。
三菱自労組は月額3500円のベアを要求している。三菱自でベアが実施されれば、12年以来14年ぶりとなる。
また、益子社長はインタビューで、プラグインハイブリッド車(PHV)の生産台数を拡大し、27年度には北米にも投入することを明らかにした。日産自動車と共同開発している軽自動車の電気自動車(EV)化を急ぐ考えも強調した。
三菱自はPHVのスポーツ用多目的車(SUV)「アウトランダーPHEV」を日本と欧州で販売しており、25年度は約3万台を生産。26年度には豪州やニュージーランドに販路を広げて約5万台まで拡大する。さらに、環境対応車の普及に向けた法規制を強化している北米にも投入することで、益子社長は「世界展開ができる」と述べた。
今後はSUVのほぼ全車種をPHV化、国内では軽自動車をEV化する方向で検討。EVは充電1回の走行距離が短いことや充電設備の不足で販売が伸び悩んでいるが、軽自動車に搭載して拡販を図る。