昨年8月に、事業会社の日本マクドナルド社長にサラ・カサノバ氏を起用し、持ち株会社社長の原田泳幸氏との二人三脚で立て直しを狙った日本マクドナルドホールディングス(HD)。だが、その後も客足は伸びず業績は低迷。今回の原田氏の退任は、米国本社の意向を反映した経営再建を進めることを明確に示した格好だ。名実ともに日本のトップに座るカサノバ氏には、独自色が強かった日本マクドナルドを、どうよみがえらせるかという難題が待ち構える。
原田氏の基本的な戦略は、限定キャンペーンや低価格で客数を増やし売上高を伸ばすことにあった。特にデフレ下では、これまでハンバーガーチェーンの主要顧客ではなかったサラリーマンの取り込みに成功した。
これに対し、カサノバ氏は「ファミリー重視」を新たな機軸として打ち出した。1月の既存店売上高は7カ月ぶりに前年同月を上回ったが、限定キャンペーンのバーガーが高価格だったことが大きく、客数は依然マイナスが続き、復活したとは言い難い。
「『100円マック』などで成功してきたが、(コンビニなど)競合相手が増え、優位性を保てなくなった」と、原田路線からの転換を目指すカサノバ氏。
だが、「デフレの勝ち組」と評価された原田路線に対し、カサノバ氏の戦略は「明確なメッセージが伝わりにくく、しばらく手探りが続く」(証券アナリスト)との指摘も出ている。“迷走”に終止符が打てるかはまだ見通せない。