杉山剛支店長は「どのように取り組むのかについて、昨年夏頃から支店内で何度も話し合い、認識の共有化を図りました。そして、全てのお客さまを訪問してNISAの話をしていくことから始めようと、営業担当者に話しました」と語る。
顧客への訪問では、2013年末に証券優遇税制が終了することに加え、NISAの制度内容をまず説明して回った。「制度の仕組みが複雑で分かりづらい」という顧客の声も当初はあったが、正確に理解してもらうまで丁寧に説明を続けたという。
顧客に重点的にアピールしているのは、中長期的な資産形成に適しているというNISAの利点。投資を始めた年を含め、5年間にわたる年100万円の非課税枠を活用する方法の一つとして、「ファンドるいとう」による長期投資や分散投資のメリットなどを顧客に分かりやすく伝えてきた。
「もちろん、すぐに口座開設に結びつくわけではないものの、1軒ずつ訪問して丁寧に説明することで徐々に話を聞いていただけるようになり、口座開設につながるケースも生まれるようになりました。そのあたりから『お客さまにお会いできれば、理解していただける』という雰囲気が支店内に広がりました」と杉山支店長は振り返る。
◆女性社員が活躍
一方、来店客にNISAを理解してもらう取り組みは、支店のファイナンシャル・サービス(FS)課を中心にフォローしている。NISAキャンペーンに向けて昨年5月頃から実施した店舗の模様替えで、中心的な役割を担ったのがFS課の女性社員たちだ。
同支店とは目と鼻の先にある東武東上線川越駅の1日平均乗降人数は約12万3000人。駅の利用者をいかに支店に呼び込めるかが、新規顧客獲得の成果を大きく左右する。そこで「野村でNISA早期申込キャンペーン」という文字が躍る幟(のぼり)を、駅からすぐに見えるように設置した。