マツダの世界生産台数と海外生産比率【拡大】
世界40カ国以上と自由貿易協定(FTA)を結ぶメキシコに工場を持つ意味は大きい。関税がかからず、輸送コストも日本発より削減できるため、北米や欧州、南米での拡販が期待できる。さらに中国やタイなどの工場も増強を図り、16年3月期には海外比率を5割に引き上げるのが当面の目標だ。国内工場でも85万台(現在は96万台)の生産体制を維持し空洞化を防ぐ。
山内会長は取材に対し、18万台体制後のメキシコ工場の計画は白紙としながらも「敷地には生産ラインをもう一つ増設する余裕がある」とし、現在の1ラインを2ラインに増やす可能性も示唆した。
競争が激しい米国で、どこまでブランドイメージを高められるかなど抱える課題は多い。苦境を経て、経営環境の変化にどこまで強くなったのか。山内会長が「これからが本番だ」と自認する通り、構造改革の真価はこれから試される。(田辺裕晶)