伊藤園が「茶殻リサイクルシステム」開発 カテキンの消臭、抗菌特性活用 (1/3ページ)

2014.3.24 05:00

最初に商品化された畳(右)を手にする開発一部の佐藤崇紀氏

最初に商品化された畳(右)を手にする開発一部の佐藤崇紀氏【拡大】

 茶系飲料最大手の伊藤園では、製造過程で大量の茶殻が出る。2012年は年間4万9000トンにも及んだ。茶殻のほとんどは飼料や堆肥として再利用されているが、緑茶ポリフェノールであるカテキンは茶殻にも残っている。この消臭、抗菌といった特性を活用する目的で「茶殻リサイクルシステム」を開発、今では150の異業種企業と連携し茶殻に残る有用成分を生かした紙製品や樹脂、建材など応用範囲を広げている。

 腐らせない技術確立

 茶殻の有効活用は1990年代後半、経営トップが開発部門に研究テーマとして指示したのが始まり。96年に500ミリリットルのペットボトル茶を発売し、一気に茶飲料市場が拡大。それに伴って茶殻も増加の一途をたどっていた。一方で、堆肥として使う農家の廃業などが相次ぎ、用途の多様化が必要になると判断したからだ。

 こうした中、2000年4月に秋田大学鉱山学部修士課程を修了した佐藤崇紀氏が入社。研修期間終了直後に、茶殻リサイクル研究の専任に抜擢(ばってき)された。

祖母が、水気を絞った茶殻を畳の上にまき掃いて掃除をしていた記憶が…

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