最初に商品化された畳(右)を手にする開発一部の佐藤崇紀氏【拡大】
「最初は乾燥させたり、活性炭に利用できないかと考えていた」と佐藤氏は振り返る。確かに乾燥機を使えば、簡単に乾燥、炭化できるが、水分が85~95%という茶殻を乾燥させるには「重油やガスを大量に使う。これがリサイクルや環境に貢献するのか」と疑問に感じ、水分が残ったままでの再利用方法を探ることになった。
そうしたとき、祖母が自宅で、水気を絞った茶殻を畳の上にまき掃いて掃除をしていた記憶がよみがえった。そこで畳に使えないかと調べ、畳の芯材に茶殻を入れることを思いつく。研究室では何とかうまくいき、建材ボードメーカーに試作を依頼。ダンプカー1台分の茶殻を工場に送った。だが工場の担当者から翌日、猛烈な抗議を受けた。慌てて工場に向かった佐藤氏が目にしたのは、工場の隅に置かれた雪山のような白い小山。水分が多い茶殻から一気にカビが生え異臭を放っており、試作は断念せざるを得なかった。
そこで乾かさず、しかも腐らずに茶殻をリサイクルするシステムを模索し、試行錯誤を繰り返し約半年後に確立した。冷凍でも薬品投入でもなく、独自開発の容器によって腐らずに茶殻を運べるようにした。このシステムの肝といえる技術は、特許を申請していない「秘中の秘」。テレビ番組で取材を受けた際も「モザイクをかけてもらった」ほどだ。