消費税率引き上げ直前の3連休となった21~23日の3日間、各地の店頭は増税前の駆け込み客でにぎわった。家具や化粧品など単価の高い商品や賞味期限のない紙製品が好調に動き、昨年比約4割増の売り上げがあった百貨店も。最後の土日となる29、30両日にはさらなる駆け込み購入が起こるとみられ、商戦はますます熱を帯びそうだ。
3連休最終日の23日午後、ニトリ成増店(東京都練馬区)は家具や雑貨を買い求める人でごった返していた。レジにはカートに商品を詰め込んだ買い物客が行列を作った。押し入れの収納ケースなど2万8千円分を購入した東京都豊島区の無職、増田睦さん(76)は「3%とはいえ年金暮らしには負担なので、増税前に思い切って買うことにした」。
もともと年度末は、就職や入学で売り上げが伸びる時期だが、今年は「大型家具を中心に例年の3割増」(同社)の勢いという。特に大型家具やカーテン、布団など単価の高い商品の売れ行きが好調という。
景況感の改善で高額品の売れ行きが好調な百貨店も盛況だ。高島屋新宿店(東京都渋谷区)では21、22の両日の売上高が昨年同時期の週末と比べて39%増と大幅に伸びた。同店の担当者は「(これまで好調だった)宝飾品にくわえ、化粧品や雑貨の売れ行きが伸びている」と、需要の広がりを指摘する。
増税が間近に迫り、駆け込み需要の波は日用品にも及んでいる。
イオンは3連休に合わせて日用品を中心に5%割引セールを実施。割引対象をカード会員以外の消費者にも拡大し、駆け込み需要を取り込もうという狙いだ。同社によると、この3連休はティッシュや紙おむつなど紙製品のまとめ買いが目立ったという。
一方、菓子やレトルト食品などは「最後の週末がピーク」(イオン広報)と予想する。ニトリでも「大型家具から細かな雑貨に需要が移る」とみている。最終週は生活に密着した商品が最後の駆け込み商戦の目玉になりそうだ。(松岡朋枝)