ベトナムの携帯電話・部品の輸出額が拡大を続けている。今年1~2月は前年同期比23%増の33億ドル(約3380億円)に達した。また、昨年の輸出額の98%を占めた韓国サムスン電子がベトナム新工場を3月に稼働したため、輸出額はさらに伸びるとみられる。国営ベトナム・ニューズなどが報じた。
ベトナム統計局によると、同国の昨年の携帯電話・部品輸出出額は前年比69%増の215億ドルだった。輸出額全体の5分の1に相当し、縫製業(輸出額179億ドル)を抜き、同国の輸出品目の首位に初めて躍り出た。
携帯電話・部品の輸出を強力に牽引(けんいん)するのが、ベトナムでの事業に力を注いでいる韓国サムスン電子だ。安価な労働力に加え、ベトナム政府の税制優遇策などにより同国での生産を拡大している。
同社の現地法人サムスン電子ベトナムは今月、20億ドルを投じて北部タイグエン省に建設していた第2工場の稼働を始めた。
月産能力200万台、従業員数5000人規模で操業を開始し、今年後半には月産能力を800万~900万台、従業員数は1万5000人に引き上げるという。将来的には、第2工場の従業員数を09年操業の第1工場(北部バクニン省)の4万3000人を上回る5万人規模とする計画だ。
同社の事業は、ベトナムの輸出額を後押しするほか、雇用創出や裾野産業拡大など経済波及効果も大きいとベトナムの政財界から評価されている。(シンガポール支局)