一緒になってみると両社の製品構成はうまく相補う形になっている。住友金属はシームレスパイプ、交通関係の車輪が主体ではほぼ100%のシェアなんです。新日鉄は自動車用鋼板が強いけどレールのシェアも約80%あった、鉄道関係でみるとレールも車輪も車台も同じ会社で作れるようになった。合併で当初予定していた通り2000億円以上の効果が出てくるし、お互いに違う品種をつくっているから、収益にも安定性がある。世界での存在感が増して少なくとも時価総額では世界で1、2を争う鉄鋼会社になることができた。
結果的には成功です。社長には住金出身の友野宏君が就任し社内融和が進んだ。彼は日本鉄鋼連盟の会長もやって経団連の副会長にもなった。4月1日付で新日鉄出身の進藤孝生社長が就任するけど、その次は未定です。
■核になる技術は国内に置き守る
長く続いたデフレは産業側にも責任がある。業界内のプレーヤーの数を減らして、極端なことをいえばひとつにならないといけない。欧州なんかみんなひとつだしね、米国もそうじゃないですか。各国とも国際競争のプレーヤーは1業種1社に集約されて政府がバックアップしている。日本も国家的見地から合併政策を進めるべきです。
《海外生産が増えるなか、日本のモノ作りはどうあるべきか》
いまは東日本大震災の復興需要で粗鋼を国内で年1億1000万トン、新日鉄住金は4600万トンをつくっています。今後、人口も減り、国内需要は伸びそうにありません。日本の自動車会社の生産台数は日本より海外の方が多い。だからわれわれも需要家が出ていったところに工場をつくり、自動車用鋼板の生産能力は海外で約900万トンと国内の800万トンより多くなっています。この傾向はこれからも続くでしょう。