「テレワークなどによるワークスタイル変革を実現したことによって、交通費や出張費は年間で12.2%削減できた。また、紙材の消費量も28.1%減り、電力消費も40.1%節電できた。社員の意識調査の結果では、9割の社員がフレキシブルワークは必要だと回答している。加えて、ワークライフバランスのスコアは17%改善され、女性の退社率も低下した」と樋口氏は効果を説明する。
業績の面でも、2011年度と2013年度を比較すると、受注額で27%増、商談数で47%増というビジネスパフォーマンスを発揮したという。講演の最後に、場所や時間にとらわれない働き方を実践している社員のビデオが紹介され、テレワークが同社にとっていかに有用であるかが示された。
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≪事例講演2≫成長を支えるテレワーク活用事例と課題
■経営トップの覚悟が必要
□明豊ファシリティワークス 代表取締役社長・坂田明
明豊ファシリティワークスは、建設業界において調達原価などのプロセスを可視化する独自のコンストラクションマネジメント手法を確立し、可視化に必須となる徹底したデジタル化を図り、競争優位性の向上を図っている。また、倫理観や公平で透明性の高い風土創りを競争優位性のトップに掲げており、坂田氏は「すべてのプロセスが可視化されるテレワーク環境は、顧客との信頼関係の構築やサービス品質の向上、人材の活用などの効果を発揮できる」と指摘する。同社の約20年間におよぶ運用経験から、テレワークを支える仕組みや課題などについて講演した。