【プロフィル】石川寛
いしかわ・ひろし 英知大(現聖トマス大)卒。1988年、樽正に入社し、商品企画や経理を担当。89年、食品部門の営業譲渡を受け、95年に株式会社として設立した樽正本店の社長に就任。質の良い商品の開発に向け、工場でも陣頭指揮をとる。49歳。神戸市出身。
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≪イチ押し!≫
■皮の複雑な苦みそのまま瓶詰め
コンポートは果物のシロップ漬け。果物と砂糖、リキュール類でつくる。そのままでも食べられるが、ヨーグルトに載せたり、菓子の材料にしたりする。
樽正本店はイチジクやクリ、ビワなどのコンポートを出しているが、定番はオレンジのコンポート。「オレンジの皮を食べる習慣が日本にはないが、果物は皮においしさや複雑さがある。見た目もきれいで、オレンジの苦みも含めて味わってもらいたい」と石川寛社長は話す。
愛媛県産のネーブルオレンジを使用。オレンジを1個ずつ鍋でゆっくり炊いて殺菌する。染み出した適量の水と糖液などのシロップに果肉をなじませて瓶詰めする。「缶に詰めて加熱殺菌する缶詰は果物に対するシロップが多く、生産過程で味が抜けやすいが、この商品はオレンジのおいしさをそのまま閉じ込めている」とアピールする。箱入り450グラム2828円。