■追加緩和に注目
一方で、「感覚的な数字で、実態よりかなり高い数字が出る」(日銀)という個人の物価予想は、日銀の2%目標を大きく上回ったが、実態に近い企業の予想は目標に届かなかった。
2月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比1・3%上昇と、9カ月連続で上昇。日銀が「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で示している消費者物価上昇率予測の25年度0・7%を上回っているが、その先の2%の実現を、企業は厳しいとみている。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「(今回の企業予想は)日銀の27年度消費者物価上昇率予測1・9%の経路に沿った数値とも評価でき、追加緩和の材料に使うには微妙な数字」と指摘する。
ただ、増税後の経済の好循環の牽引(けんいん)が期待される企業が、日銀のシナリオよりも物価上昇の動きが弱いとみている影響は小さくない。今月30日の金融政策決定会合で議論される展望リポートの点検に向け、日銀のシナリオ修正や追加緩和の動きが注目される。(万福博之)