日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は22日、金融政策決定会合後に記者会見し、「物価上昇は想定通りの道筋をたどっている」と述べ、脱デフレに向け着実に前進しているとの見方を示した。昨年10月公表の経済や物価の見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の中間評価では、2015年度の消費者物価上昇率の予測を1.9%に据え置いた。ただ消費税増税に伴う国内景気の一時的な減速は確実で、雇用・所得環境のさらなる改善など課題も多い。
「消費税増税後も生産から所得、支出への前向きな循環は崩れず、基調的に緩やかな回復が続く」
黒田総裁は4月の消費税増税の景気への影響について、住宅投資や個人消費などでみられる駆け込み需要の反動で4~6月期の成長率は鈍化するものの、7~9月期は再び回復基調に戻るとの考えを強調した。