村松衛常務執行役【拡大】
日本原子力発電(原電)の副社長職は長年、生え抜き社員が占めてきたが、その慣例を破ってまで、筆頭株主の東京電力があえて村松衛常務執行役を送り込むのは、「八方塞がり」(大手電力関係者)の原電の経営状態を抜本的に見直す必要が出てきたからだ。
原電は、茨城県の東海第2原発(出力110万キロワット)、福井県の敦賀原発1号機(35万7000キロワット)、同2号機(116万キロワット)を保有しているが、原子力規制委員会は敦賀2号機の直下に活断層があると判断するなど、3基とも再稼働のめどが立たない。
同社は、東電や関西電力など5社に電力を卸売りしていたが、現在は発電量ゼロ。しかし5社は、原発の保守点検費用や人件費として、毎年1000億円を超す「基本料金」を原電に支払っており、2014年度も継続する。
ただ、電力各社は長引く原発停止で財務状態が大幅に悪化。北海道電力と九州電力は、日本政策投資銀行から500億~1000億円規模の出資受け入れを検討するなど経営環境は厳しさを増している。原電の保有原発が再稼働できなければ、各社は原電支援を続けられなくなる。