「人との信頼関係は大事で、やはり現場だ。英国から欧州、アフリカ、中東にも行った。当時の外国船のオーナーは個人が多く、簡単に言えば個人の大金持ち。ギリシャやイタリア、香港に点在し、一つのファミリーで何十隻という船を持つ時代。ちょっと他のビジネスとは肌合いが違ったが、その人たちから信用を得ることが大事だった。昨年10月にイタリア・ベネチアのオーナーと何十年ぶりに再会した。年をとり、代替わりしていたがファミリーがみんな集まり大歓迎してくれた」
《当時は自ら危機を経験し、課題に立ち向かった。商社の事業が貿易から事業投資に変化する中で、若い世代の人材育成の要諦は何か》
「最初から事業投資(の担当)にはなかなか行かせない。それぞれの部門で商品を取り扱う、いわゆるトレーディング(貿易)ビジネスがある。金属は資源投資ばかりではなく、メタルワンのようにお客さんに鉄鋼製品を売る商売もある。化学品もしかり。お客さんと対面することが大事で人とどう接するかが一番の勉強材料だ。貿易をある程度経験させ、並行してグローバル人材育成のために海外研修を半年から1年間、入社8年目までに行う。そこで大体社会人、商社パーソンとしてある程度形ができたところで、事業投資に入る、というのが今の(人材育成の)流れだ」