ただ、問題は身の丈を超える投資額。開業までは、限られた資金で利益を上げる必要がある。薄氷を踏む思いの中、森岡氏はある結論にたどり着いた。それは「米映画だけ」へのこだわりを捨てることだった。
社内で宣言すると大問題になったが、森岡氏は「映画をいつも見る人はほぼ約1割。そこを取るため9割をあきらめるのは非効率」と押し切った。映画にこだわるより、超一流のエンターテインメントによる感動にこだわる方針転換だ。
そして国内で絶大な人気を誇る漫画「ワンピース」やゲーム「モンスターハンター」のイベントを開催。若者向け映画のアトラクションが多く、子供が楽しめないというイメージを払拭するため24年にハローキティやスヌーピーなどをテーマにしたエリア「ユニバーサル・ワンダーランド」を開業し、家族連れの取り込みに成功した。
後ろ向きで乗るジェットコースターも森岡氏のアイデアだ。既存のレールを使い、乗り物部分を開発するだけで費用を抑えた。ただ単なる思いつきではなく、人間の本能が最もスリルを感じる後頭部からの落下を体験してもらうという発想がヒットにつながり、ピーク時は最大9時間待ちとなった。