「一方、私はガムシャラに働きました。長時間労働を勧めるつもりは毛頭ありません。しかし、20代や30代のときには、寝食を忘れるぐらい働いても疲れないはずです。どんな仕事でも、自分の限界に挑戦してみる。すると、新しい視界が開けるのです。現実に、異動から3年が過ぎた頃、気がつけば営業という仕事を私は恐れなくなっていた。一本立ちできたのです」
最近は、若手に長時間労働を強いる“ブラック企業”が流行語になっている。若者を消耗品のように使い捨てる企業に、明日はない。だが、純白すぎる組織から、国際的な競争力を身につける人材を育むのは難しい。表面はどうであれ、根底に「人を育てる」意思をもつ企業、そして社会が再び求められている。(ジャーナリスト 永井隆)
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【プロフィル】荻田伍
おぎた・ひとし 1942年、福岡県飯塚市生まれ。65年九州大学経済学部卒、アサヒビール(現アサヒグループホールディングス)入社。2003年アサヒ飲料社長、06年アサヒビール社長、10年会長、11年アサヒGH会長、14年から現職。12年から経団連副会長。