惨敗、低迷、日本のテーマパーク… USJはTDLと2強時代を築けるか (1/4ページ)

2014.5.12 07:03

【USJ解剖(中)】

 4月12日、東京ディズニーシー(TDS、千葉県浦安市)を訪れていた名古屋市の看護師、阪井有美さんは、ディズニーが演出する“夢の国”に迷い込んだ。

 TDSと東京ディズニーランド(TDL)合わせて6億人目の来場者となった阪井さん。3年間有効のパスポートなどが贈られ、ミッキーマウスたちに囲まれて花束で祝福されると「心臓がどきどきして…」。ディズニー流のもてなしに声を詰まらせた。

 来場者6億人は昭和58年のTDL開業から30年と363日目での達成。5億人達成からは3年と229日で、1億人ごとの達成期間としては過去最速だ。

 近畿大学経営学部の四宮由紀子准教授(観光事業論)は、TDLとTDSの強さについて、「日本の人口の3分の1が集中する首都圏という人口集積地を抱えていることが何よりも大きい」と話す。

 TDSとTDLはJR東京駅から最寄りの舞浜駅まで電車で約15分、羽田空港からも近い立地や交通利便性に加え、ディズニーという人気コンテンツやキャラクターを擁しながら新規投資で常に目新しさを演出。平成25年度の来場者数は前年度比約14%増となる3129万人と、過去最高を記録した。運営会社のオリエンタルランドは手綱を緩めることなく、今後10年間で約5千億円の投資を行う計画を打ち出しており、設備の充実で、さらに集客力を高める考えだ。開園から30年を経ても、人々を夢から覚めさせようとはしない。

低迷が続く中でも「幹部や社員に危機意識がなかった」(USJ関係者)

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