金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田総裁=21日午後、日銀本店【拡大】
実際、先月公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、14年度の物価見通しを据え置く一方、経済成長率は下方修正した。黒田総裁は企業の投資、女性と高齢者の労働参加、規制緩和などを通じ、成長率を高める必要性を指摘した。
一方、足元では大規模な金融緩和で進んだ円安・株高傾向に陰りがみられ、市場で追加緩和観測が高まる根拠の一つとなっている。21日の円相場は一時、1ドル=100円台後半に上昇、約3カ月半ぶりの円高水準となった。株式市場でも日経平均株価は一時、1万4000円を割り込んだ。
これに対し黒田総裁は「為替が特に円高になる理由はない」と強調。株価についても「基本的に企業収益の動向によって決まり、傾向として株高の方向が変わったとは感じていない」との認識を示した。
その上で、金融政策については「株価や為替にリンクして考えるわけではない」と述べ、2%の物価上昇率の目標に向け、現行の「量的・質的金融緩和を持続していく」と強調した。
ただ円安や株高は、企業業績や個人消費の追い風になっていた。市場の動向次第では物価に影響を及ぼしかねず、日銀が対応を迫られることも否定できない。