直径200マイクロメートル(0.2ミリメートル)ほどの一般的なハブラシの毛先では、歯垢のたまりやすい隙間の奥の部分には届かない。また、歯の表面には“周波条”と呼ばれる幅約数十マイクロメートルの溝があり、この溝は歯の根元に近くなるほど多くなるため、歯と歯ぐきとの境目の歯垢除去をより難しくしている。
◆細かく砕ける技術開発
ハブラシだけでは除去しにくい隙間の奥の歯垢をきれいにかき落とすために花王が開発したのが、歯みがき時に細かく砕ける“崩壊性顆粒”だ。1990年に発売した「クリアクリーン」で採用され、20年以上経過した今も花王の歯みがき商品のメーンブランドとして親しまれている。
砕ける顆粒のアイデアは、清掃剤の粒径とハブラシの力を伝える効率の関係に着目することから生まれた。狭い隙間の歯垢を落とすためだからといって、粒径の小さな清掃剤だけを配合すると、ハブラシの力が効率良く伝わらず、歯垢を落とす力を十分に発揮することができない。
ある程度の大きさを持った粒とそれが壊れてできた小さな粒が組み合わされることで摩擦力が増し、ブラッシング力を効率良く歯と歯の隙間や歯表面の小さな溝に入り込んだ汚れに伝えることができる。
◆ツルツル感に高い評価
もっとも、開発当初に行った試用テストでは、今まで経験したことがない顆粒の異物感に“抵抗を覚える”という指摘も多かったという。しかし、それ以上に際立っていたのが、磨き終わった後のツルツル感に対する高い評価だった。