SNSアプリの「Wickr」のデモ画面。送信する写真やメッセージが自動消滅する時間を設定できるほか、送信内容が暗号化される(伊藤穣一撮影)【拡大】
では、データを持たずにヴォイシーはどうやって収益を上げるつもりなのだろうか。創業者、イルファン・ラドニック氏のインタビューを見ても、彼らはその答えを持ち合わせていないようだ。収益方法を検討するよりも前に、まずユーザーを集めようとしている段階のサービスなのだ。先週のコラムでも言ったが、写真共有サイトのピンタレストは同じ方法をとり、それがうまくいった。
◆投稿見逃しの可能性
ただ、ヴォイシーには収益獲得以外にも、もう一つの問題が出てくると思われる。それが、ユーザーのサービス利用体験(ユーザーエクスペリエンス、UX)上の課題だ。例えば、友達が1日に3回投稿をしたとして、私がヴォイシーを1日1回しかチェックしないとしたら、私は彼女の3つめの投稿しか読めない。友人の間で最も話題になった投稿内容を見逃してしまう可能性があるわけだ。
ユーザーの中にはこれにいらだちを感じる人が出てくるかもしれないが、ヴォイシーはこの仕様が、アプリへの活発な投稿とコミュニケーションを促すと信じている。理論的には、友人がいつおもしろい投稿をするか分からないという状態によって、ユーザーがアプリにログインして確認する頻度は高まると考えられるからだ。
ヴォイシーが今後ユーザー数を増やし、広告主からの注目が高まってくれば、その方針を少し変更し、過去の2、3件の投稿をユーザーのタイムラインに表示して残すようになるのではないか。または、友人がまだ投稿を閲覧しないうちは、少し長めの閲覧期限を設定して、例えば3日たてば投稿が消滅する、というようになるのではと思う。