マツダが開発した1500㏄の小排気量クリーンディーゼルエンジン【拡大】
マツダは10日、1500ccの小排気量クリーンディーゼルエンジンを開発し、今夏以降に投入する小型車「デミオ」の新型モデルに搭載すると発表した。欧州ではエコカーの代表格として地位を確立しているディーゼル車だが、日本では普及が遅れており、小型車に搭載することで本格的な市場開拓を図る。
新型エンジンは独自の環境技術「スカイアクティブ」を活用し、燃焼効率を改善しながら軽量化を実現した。現行デミオの欧州モデルに搭載しているプジョーシトロエングループ(PSA)の1600ccエンジンに比べ、燃費性能を15~20%改善。また、2500ccのガソリンエンジンと同等の出力を備えた。
具体的な数値は未公表だが、新型デミオの燃費性能はトヨタ自動車の小型車「パッソ」(ガソリン1リットル当たり27・6キロ)を抜きハイブリッド車(HV)と軽自動車を除く乗用車で「国内トップになる見込み」という。
日本ではディーゼル車に対し黒いすすを出す負のイメージが強く、有害物質の排出を抑える技術が実用化された後も普及は進んでいない。クリーンディーゼル車の2013年度の販売台数は7万8384台で、新車販売全体の約1%に留まる。
ただ、マツダはスポーツ用多目的車(SUV)「CX-5」など3車種で高い燃費性能や静粛性を備えた2200ccのディーゼル車を投入し、販売は好調だ。同社は「燃費がいいだけでなく走りを楽しめる車を小型車でも提供したい」としている。