九州電力の川内原発1号機(左)と2号機。再稼働に向け、原子力規制委員会の安全審査を受けている=鹿児島県薩摩川内市【拡大】
自由化後の原発関連の施策をめぐり、政府が4月に閣議決定したエネルギー基本計画では「海外の事例も参考にしつつ、事業環境の在り方について検討を行う」としている。
いち早く自由化が進む英国や米国では、二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない原発を再生可能エネルギーと同様に長期固定価格買い取り制度の対象としたり、新設する原発に政府が債務保証を行うなどの施策を導入。自由化と原発維持の両立に腐心している。21世紀政策研究所の澤昭裕研究主幹は「原発を活用するなら、新増設する際の市場補完的な支援策の検討が欠かせない」と指摘する。
また、原発事故が起きた際に背負い込む責任も電力会社の大きな経営リスクとなっている。原賠法は、電力会社など原発事業者は過失がなくても事故の責任を無限に負い、政府は必要なときに支援すると規定。電力業界は「厳しすぎる」(八木氏)と強く反発しており、政府は同法の見直しに向けて関係省庁の副大臣らによる会議を近く立ち上げる予定だ。
エネルギー基本計画では原発を「重要なベースロード電源」と位置づける一方、「原発依存を可能な限り低減する」とし、政府は電源構成比率の明示を見送った。自由化を控え、あいまいな原発政策は許されず、政府の姿勢が問われることになる。